50代・60代・70代になると、大きな病気を経験したり、健康診断の数値にドキッとしたりする方が増えてきます。 そのとき多くの人が「今までの生活を改めて、健康に良い生活スタイルに変えよう」と決意します。
でも、ここで必ず出てくるのがこの疑問です。
「健康に良い生活スタイルって、結局なに?」
ネット検索をしても情報が散らばっていて、何を信じて何から始めればいいのかが分かりにくい。
この記事は、そのモヤモヤに答えるために書きました。
結論から言うと、健康に良い生活スタイルとは「腎臓を守る生活スタイル」そのものです。
なぜそう言えるのか、ぜひ最後まで読んで確かめてください。
結論:腎臓を守る=老化ドミノを止める
「将来、家族に迷惑をかけたくない」「最後まで自分の足で歩きたい」――そのために脳トレや運動を頑張るのは素晴らしいことです。
ただ、忘れてはならない“急所”があります。腎臓です。
腎臓は、血液のよごれをこして尿に捨てる24時間稼働のフィルター
腎臓が弱る(老化する)と、体の中のバランス(血圧、水分、老廃物の処理)が崩れやすくなり、結果として心臓や血管、脳にも負担が広がります。実際、腎臓老化が心筋梗塞、脳卒中をはじめ多様な疾患リスクを上昇させます。(情報源)
eGFRと尿アルブミンが大事な理由
また、腎臓の点数であるeGFRと、腎臓からの“漏れ”を示す尿アルブミン(尿たんぱく)は、将来の死亡や心血管病のリスクと強く関連することが、大規模な解析で示されています。(情報源)
だからこそ、腎臓は「腎臓だけの話」ではなく、全身の老化の上流に来る臓器と考えられます。
腎臓は黙って弱る。だから“数値”で先回り
腎臓でいちばん困るのは、症状が出にくいことです。
かなり悪くなるまで、痛みも違和感もないことが珍しくありません。
そのため、「体感」ではなく、健診の数値で早めに気づくのが基本戦略になります。
慢性腎臓病は「3か月以上つづく異常」
慢性腎臓病は、腎臓の異常(eGFRの低下や尿の異常など)が3か月以上つづく状態を指します。1回の検査で決めつけないのが大事です。(情報源)
健診で見るのは2つ:eGFR+尿アルブミン(尿たんぱく)
国際ガイドラインは、腎臓の評価として
- 尿アルブミンの測定
- GFR(eGFRなど)の評価
をセットで行うことを推奨しています。(情報源)
eGFRの目安(ざっくりでOK)
eGFRは「腎臓が1分間にどれくらい血液をきれいにできるか」の目安です。
まずは難しく考えず、腎臓の点数だと思ってください。
eGFR早見(目安+やること)
- 90以上:基本は良好(尿の検査も正常なら安心)
- 60〜89:軽い低下。まず生活を整える(特に血圧・運動・塩分)
- 45〜59:要注意ゾーン。医療者に相談を(原因チェックと経過観察)
- 45未満:管理が必要なことが多い。早めに専門的な相談
(eGFRの分類枠組みは国際ガイドラインで整理されています。)(情報源)
尿アルブミン(ACR)早見
尿アルブミン(ACR)は「腎臓フィルターがどれくらい漏れているか」。
- 30未満:正常〜軽度
- 30〜300:中等度(早期から注意)
- 300超:高度(医療者相談の優先度が高い)
そして重要なのがここです。
eGFRがそこそこ良くても、尿アルブミンが高いとリスクが上がりやすいことが示されています。(情報源)
今日からできる腎臓メンテ:減らす/足す
腎臓対策は、派手なことより「負担を減らして、守る習慣を足す」が王道です。
まず減らす(腎臓に負担をかける習慣)
- 喫煙:血管に負担。腎臓の細い血管には特に。
- 血糖値スパイク :血管を損傷。腎臓の細い血管には特に。(対策)
- 座りっぱなし:まずは「30〜60分に1回立つ」をルール化。
- 加工食品中心の食事(リン添加物):原材料表示に「リン酸塩」と表示されるほか、「pH調整剤」「乳化剤」「かんすい」「酸味料」「結着剤」「膨張剤」などの一括名で表示されることが多く見破りにくい。食品中の有機リンと比較して食品添加物の無機リンは特に吸収されやすい。即席めん、コーラ、ハム、ソーセージ、ベーコン等
- 痛み止め(解熱鎮痛薬NSAIDs)の長期・頻回の使用:eGFRが低い人ほど注意が必要で、特にeGFR<30では避ける/30〜59でも長期使用は避ける。(情報源)
※「絶対ダメ」ではなく、連用・高用量・脱水時が重なるほど危険、ということです。
次に足す(腎臓を守る習慣)
- 運動:インターバル速歩(速歩とゆっくり歩きを交互に)+軽い筋トレ。腎臓そのものと、腎臓を支える“血管・血圧・代謝”に効きます。
- 食事の軸を整える:
糖尿病や慢性腎臓病治療中なら「腎保護薬」も選択肢
糖尿病や慢性腎臓病で通院中の方は、生活習慣に加えて薬の選び方も重要です。
SGLT2阻害薬(例:ダパグリフロジン、エンパグリフロジン)は、慢性腎臓病の患者さんで腎機能の悪化や心血管イベントのリスクを下げた大規模試験が報告されています。(情報源)
該当する方は、主治医に「腎臓を守る観点で薬も相談したい」と伝えるのが早道です。
まとめ:1年後の“腎臓スコア”を楽しみにしよう
腎臓の健康法は、言い換えると人生の後半を”自立して過ごす確率”を上げる方法です。
今日からやることは3つで十分です。
- 健診で eGFR を確認
- できれば 尿アルブミン(尿たんぱく) も確認
- 「減らす」を1つ、「足す」を1つ
そして、腎臓は1回の数値より経時変化(前年差)が大切。
次の健診で「維持できた」「少し良くなった」と言えるように、習慣を積み上げていきましょう。
※持病や治療中の方は、検査結果を持って医療者にご相談ください。
FAQ(よくある質問)
Q1. eGFRが60台。もう腎臓病ですか?
A. 1回だけでは決めません。慢性腎臓病は「3か月以上つづく異常」が基本で、尿アルブミン(尿たんぱく)も合わせて見ます。(情報源)
Q2. eGFRが加齢で下がるなら、気にしなくていい?
A. 年齢の影響はありますが、eGFRと尿アルブミンはいずれも将来リスクと関連します。気にするポイントは「持続」と「悪化のスピード」です。(情報源)
Q3. 尿たんぱく(+)と言われました。まず何を?
A. 再検で「続いているか」を確認し、血圧・塩分・体重・薬(NSAIDsなど)を点検。続く場合は医療者相談の優先度が上がります。((情報源))
Q4. ロキソニンは絶対NG?
A. いいえ。ただし腎機能が低い人ほど注意が必要で、国際的にはeGFRが低いほど「避ける/長期は避ける」という考え方が示されています。(情報源)
Q5. リンはなぜ問題?
A. 血管石灰化を引き起こし軽度のリン上昇(正常範囲内でも)でも 心血管イベント・死亡リスク上昇。食品添加のリンは吸収されやすく、加工食品に多い点が注意ポイントです。(情報源)
Q6. SGLT2阻害薬は腎臓に良いの?
A. 慢性腎臓病患者さんで腎機能悪化や心血管リスクを下げた試験報告があります(適応は主治医判断)。(情報源)
