一番幸せでありたい人生の最期に、自分の家族、知人が分からなくなるなんて絶対いやっ!そう思っているのは私だけではないと思います。この認知症になる兆候が6年も前にあるとしたら、認知症にならないために、あらゆる手立てを尽くすことができます。また、周りの家族も、このことを知っているとお父さんお母さん、お爺ちゃんおばあちゃんの異変に気付いて手を打つことができます。そんな認知症の見逃してはいけない兆候について今回は深掘りしていきます。
1. 認知症の身体的予告は「発症6年前」から始まっている
認知症は、脳の変化に合わせるように、数年前から身体機能が段階的に低下していきます。
最新の研究によると、身体の変化は以下の順番で現れることが分かりました(情報源1)。
- 6年前: 歩行速度がゆっくりになる(最初の警報)
- 5年前: 握力が弱くなる(筋力の低下)
- 4年前: フレイル (虚弱) 状態が目立ち始める
- 0年: 認知症の発症
認知症対策はすべての人が取り組むべきものです。特に高齢者には重要です。そして高齢期において予兆を感じた時は、つまり「歩くのが遅くなったかな?」と感じた時は、対策が打てる見逃してはいけない超重要なタイミングなのです。
2. まずはここから: 5つの質問で「フレイル」をチェック
「フレイル」とは、健康と要介護の間の「弱っている状態」のこと。まずは世界的に信頼されている質問票(FRAIL scale)で、今の状態を確認しましょう(情報源2)。
【FRAILチェック項目】
- 疲労感: 最近、疲れやすいと感じますか?
- 筋力: 手すりや助けを借りずに、階段を自力で登れますか?
- 歩行: 100m (バス停一つ分程度)を歩くのが大変ですか?
- 持病: 5つ以上の持病(高血圧、糖尿病、がん等)がありますか?
- 体重減少: この1年で体重が5%以上 (50kgの人なら2.5kg) 減りましたか?
- 1〜2つ当てはまる: 注意が必要です。(この状態は、正常に戻れる最後のチャンス。対策に真剣に取り組もう!)
- 3つ以上: フレイルの疑いがあります。(この状態では、正常に戻れる可能性が低い)
ここが重要!
特にこの質問のうち「体重減少」や「強い疲労感」から始まった人は、筋力低下から始まった人に比べて、衰えのスピードが3〜5倍も速いというデータがあります(情報源4)。 「食べているのに痩せる」と感じたら、大急ぎで生活習慣の見直しが必要です。
3. 【最重要サイン】 「歩く速さ」が未来を予測する
数ある指標の中で、最も早く、明確にリスクを示すのが「歩行速度」です。
- 論文上の測り方: 普段の「普通の速さ」で4m歩く時間を測ります。※
- 判定基準: 秒速0.8m未満(4mを5秒以上)になると、認知症リスクのサインとされています(情報源3)。
- 変化に注目: 1年おきの測定で速度がガクンと落ちる場合は要注意です(情報源1)。
※スマホアプリ「Walkmetrix (無料版)」なら、歩行速度をkm/hで簡単に確認できます。3.6km/h (秒速1.0m) 以上を維持できているかが健康の目安です。
4. 握力と立ち上がり: 全身の「馬力」をチェック
握力は全身の筋力のバロメーターであり、多くの場合、衰えの最初の入り口になります(情報源4)。
- 基準値: 男性28kg未満/女性 18kg未満
- TUGテスト: 椅子から立って3m歩いて戻るテスト。12秒以上かかると転倒や認知症の高リスクとされます(情報源6)。
- 90歳以上の方: 「椅子から5回立ち上がるのに20秒以上」かかるかどうかも、自立した生活を送るための重要なラインです(情報源5)。
まとめ: 体の声は「まだ間に合う」と言っている
もし当てはまるサインがあっても、落胆する必要はありません。
6年前のサインは「手遅れ」の通告ではなく、「今すぐ対策すれば、まだ間に合うよ」という体からの貴重なメッセージです。
では、実際にサインに気づいたら何をすべきか?
次回の記事では、「高齢期からでも間に合う、予防と脳を若返らせる方法」を詳しく解説します。
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【情報源・参考文献】
- 情報源1: 認知症発症の6年前から身体機能が低下することを示した研究 (Wu et al., 2026)
- 情報源2: フレイル診断ツール「FRAIL Scale」の地域高齢者における精度を検証 (Morley et al., 2013)
- 情報源3: 歩行速度が低い高齢者における認知症リスクの関連を分析 (Abellan van Kan et al., 2009)
- 情報源4: フレイルがどの症状から始まるかと、その後の進行速度の違いを調査 (Xue et al., 2008)
- 情報源5: 日本人90歳以上の体力基準値を策定した大規模調査(SONIC研究) (Matsumoto et al., 2022)
- 情報源6: 多項目体力テスト(TUG含む)による生物学的年齢の推定と疾患リスクの関連 (Manca et al., 2023)
