インターバル速歩とは|30分×週4で体力が若返る日本式ウォーキングの効果とやり方

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はじめに

インターバル速歩は、信州大学・能勢博名誉教授が提唱した歩行法で、「ゆっくり歩き」と「ややきつい速歩(サッサカ歩き)」を各3分、計5セット=30分行うのが基本。道具は不要、場所も選びません。2024年2月には NHKワールドJAPAN が特集し海外で反響が拡大。続いてフィットネスコーチ ユージン・テオ 氏がSNSで「日本式ウォーキング」として紹介し、視聴が急伸しました。2025年7月には The Washington Post(7/13)The New York Times(7/31) が肯定的に紹介し、Los Angeles Times(7/31) も検証記事を掲載。いまや「短時間で確かな効果が得られる日本式ウォーキング」として世界的に注目されています。本記事では、人気の理由・科学的根拠・始め方をコンパクトに解説し、とくに“若返り”が必要な高齢者に最適である点を強調します。

何が多くの人を惹きつけるのか?

  • タイパ最強:1日1万歩だと90〜120分かかりますが、インターバル速歩は1日30分でOK。
  • 科学的裏付け:強度にメリハリをつけ、心肺・筋を効率的に刺激。歩数稼ぎでは得にくい効果が出やすい。
  • 続けやすい:速歩と回復の交互で単調になりにくく、器具・ジム不要。雨の日は屋内通路でも実践可。

高齢者に“最適”な理由

  1. 加齢で落ちやすい“最大酸素摂取量(VO₂max)”を底上げ
    5か月継続で、速歩パートの累計が週60分でほぼ最大効果(VO₂max向上)に到達。負荷ゼロだと体力は低下しやすく、「ややきつい」強度の確保が若返りの鍵(出典1)。
  2. 血圧・脚力の改善で“転倒・フレイル”を予防
    収縮期・拡張期血圧の低下、下肢筋力の向上が報告(出典2)。下肢筋が強まると歩幅・歩行速度が改善し、外出頻度アップにもつながる。
  3. 認知機能への好影響が期待
    50歳以上のメタ解析では、中強度以上の有酸素運動は認知機能改善に寄与(出典3)。インターバル速歩の週60分の速歩はこの条件に合致。
  4. 関節への過負荷を避けつつ“質”を担保
    ランニングより膝負担が少なく、普通歩行より強度が確保できる“ちょうどよさ”。

確かな健康効果(エビデンス要点)

  • VO₂max↑=若返り指標の改善:メリハリのある負荷で、年齢による体力低下を“横ばい→上向き”へ(出典1)。
  • 血圧↓・脚力↑:循環器リスク低減と歩行自立の延伸に寄与(出典2)。
  • 認知機能↑(期待):運動時間×強度の最適化がポイント(出典3)。

インターバル速歩のやり方(今日から始める版)

  1. 配分
     - 速歩3分(息は上がる、会話は途切れ途切れ)
     - 回復歩行3分(楽に会話できるペース)
     →5セット=計30分
    ※インターバル タイマー(アンドロイド・スマホ)、Timer Plus(アイフォン)で時間管理。
  2. 頻度週4日(=速歩累計週60分
  3. フォーム4か条
     - 姿勢:頭頂を糸で引く意識で胸を軽く開く
     - 腕:肘を90度に曲げ、後ろへ引く意識
     - 足:かかと着地→母趾球で蹴る
     - 歩幅:普段より半足長広く
  4. 安全対策:心疾患・未治療高血圧・関節痛がある方は医療者に相談の上開始。段差・夜間は避け、滑りにくい靴で。ウォームアップ/クールダウン各3〜5分を習慣に。
  5. 参考動画信州大学「インターバル速歩のコツ」が実践に有用。

続けるコツ

  • “速く”より“適正強度”:同じコースのタイム競争は不要。
  • 分割OK:15分×2回でも総量は同じ。生活リズムに組み込みやすい。
  • 見える化:カレンダーに○×、週60分達成でご褒美ルールを。

まとめ

インターバル速歩は、30分×週4日という現実的な投資で、VO₂maxの向上(若返り)、血圧低下、脚力増強、認知機能改善が期待できる日本発の運動法です。とくに高齢者の“落ちやすい機能”をピンポイントで引き上げる点が強み。鍵は「3分ややきつい+3分回復」×5セット週60分の速歩。器具不要・場所を選ばず続けやすい——だから世界が注目。まずは今日の30分、安全第一で気持ちよく始めましょう。

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 出典

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  1. Masuki S, Morikawa M & Nose H, 2019, “High-Intensity Walking Time Is a Key Determinant to Increase Physical Fitness and Improve Health Outcomes After Interval Walking Training in Middle-Aged and Older People” Mayo Clin Proc. 2019 Dec;94(12):2415-2426. doi: 10.1016/j.mayocp.2019.04.039. Epub 2019 Aug 30. 有料
  2. Nose H et al.,2009, “Beyond epidemiology: field studies and the physiology laboratory as the whole world” J Physiol. 2009 Dec 1;587(Pt 23):5569-75. doi: 10.1113/jphysiol.2009.179499. Epub 2009 Sep 14. 無料
  3. Northey JM et al., 2018, “Exercise interventions for cognitive function in adults older than 50: a systematic review with meta-analysis” Br J Sports Med. 2018 Feb;52(3):154-160. doi: 10.1136/bjsports-2016-096587. Epub 2017 Apr 24. 無料 (インターバル速歩での試験ではないが早歩きの習慣累計時間60分で認知機能の改善が期待できるとの根拠を与えるメタ解析論文)
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